*

発達障害のある女性の苦悩

公開日: : コラム

貧困女子になる要因のひとつとして、
身体や精神の障害がある。
その要因のひとつとして、認知されてきたのが「発達障害」だ。
しかし、社会ではまだまだ知られてはいないとも言える。

自分が「発達障害」だという認識がない大人も多い。
他人からはただの怠け者にしか見えないのだ。
大学も卒業し、ごく普通に就職をしてから
発達障害と診断された女性の苦悩は並大抵のものではない。

栃木県在住の絵里さん(28歳)は3年前に発達障害と診断された。
小学3年のとき、父親の浮気が原因で両親が離婚。
それからは母子家庭で育ってきた。
母親は必死で働き絵里さんを大学まで入れてくれた。
その甲斐あって、地元の有名企業に就職することができた。
給料の大半を家に入れ、母と2人仲よく暮らしていた。
ところが3年前、母親が過労で倒れそのまま帰らぬ人となった。

このときから絵里さんは精神的におかしくなった。
とても働ける状態ではなくなり、会社も退職した。
親戚の勧めで病院に行ったところ、

「注意欠陥多動性障害」

と診断された。
実は、彼女には元々その傾向があったという。
注意力がなく、転ぶことが多く、財布を落とすことも多かった。
自己管理することが苦手で、学校や会社に遅刻することも多かった。
友達との約束もなかなか守れず、親友を作ることもできない。
この症状が、母親の死と仕事のストレスが重なったことにより
悪化したのだという。

退職後2年間は、母親が残した保険金と貯蓄で生活した。
母と住んでいたアパートに今も一人で住んでいる。
2DKで家賃4万円。一人で住んでも贅沢な物件ではない。
働かずとも2年くらいはやっていけた。

貯金も残りわずかとなった頃、バイトをするようになった。
スーパーのレジのバイトを週5日。
月の手取りは9万円ほどだ。
但しこの金額は、無遅刻無欠勤だった場合だ。

彼女は遅刻が多いため、本来稼げる金額をもらえないことが
多い。しかも遅刻すればスーパーの店長に怒られる。
その結果、仕事のスピードが極端に遅くなる。
いつクビを切られてもおかしくない状況だ。

本来であれば、絵里さんは生活保護を申請すべきなのであろう。
実際、母親が死んだあと申請をしているのだ。
しかし、貯蓄が十分とのことで受給できなかった。
それ以来、役所の人と話すことに苦手意識があるのだ。
おそらく、いま申請に行けば高確率で生活保護が受けられると
思われるのだが。

彼女のように「発達障害」によって苦しんでいる女性が
少なからず存在する。
貧困女子となっても仕方のないことなのだ。

関連記事

貧困女子とヤマト運輸の仕事

ヤマト運輸で働く貧困女子 ヤマト運輸で働く加奈子さん(32歳)の話です。 彼女の生活は収入面

記事を読む

キャリアウーマンだった女がなぜ貧困女子になったのか

キャリアウーマンだった女が一転して貧困女子になってしまった理由 有名女子大学を卒業し、大手IT企業

記事を読む

貧困女子の賃貸アパート

貧困女子の家賃相場 貧困女子の住む家は、安アパートであることが多いです。 お金がないのだから、当

記事を読む

「おひとりさま」を覚悟した女

「おひとりさま」という人生 先日、テレビの特集で「おひとりさま」の生活を 取材していました。

記事を読む

貧困女子をねらった資格ビジネス

貧困女子を食い物にする資格ビジネス詐欺が横行しています。 英会話、パソコン系の資格、花嫁修業系の資

記事を読む

貧困女子大生の目指す道

貧困生活を送る女子大生 夢の実現のため、自らが働いて学費を捻出している 女子大生がいます。 仕

記事を読む

意識高い系女子は結婚まで至らない

意識高い系女子には結婚に至らない理由がある 意識が高いというのは、本来よい意味なのですが、 最近

記事を読む

マイルドヤンキーという生き方

マイルドヤンキーという生き方は幸せだろうか 貧困女子を語るうえでマイルドヤンキーの生き方を知ること

記事を読む

貧困女子の貯金

貧困女子は貯金が苦手 貧困女子はお金を稼ぐ力が弱いうえに、貯金も苦手な人が多い。 非正規雇用が増

記事を読む

貧困女子と過重労働の二択なら

貧困女子と過重労働はどちらが苦しいのか 大手広告代理店の新入社員女性が自ら命を絶ちました。 普通

記事を読む

ロスジェネ世代の貧困女子

ロストジェネレーション世代の貧困女子 ロストジェネレーション世代

奨学金という借金地獄から抜け出せない

奨学金の返済に苦しむ貧困社員 貧困家庭で育っても大学に進学したい。

貧困女子の冷え切った年越し

貧困女子の寂しい年越し 2018年になりました。 今年こそ、明

シングルマザーが貧困女子になる可能性

シングルマザー = 貧困女子 なのか シングルマザーは仕事も育ても家

結婚すれば何とかなると思っていた貧困女子

貧困女子 結婚すれば何とかなると思っていた 貧困女子が普通の暮らしを

→もっと見る

PAGE TOP ↑